エコマンションの建設日記「第2章−7.えっ?好みが違う?なるほど・・・」
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━━━(第1章)━━━
1. はじまりのはじまりは出産
2. 不思議な体験
3. 息子の心臓に穴
4. -倒産・再建・そして-
5. 妹の死と廃業
6. 不動産業についての持論と設計の基本
 
7. 二人の助産婦さんと一冊の本との出会い
 
━━━(第2章)━━━
1. 私がシックハウス症候群?
2. 誰に相談するのか?
3. 誰に相談するのか?
-設計士編-
 
4. 設計士さんへの意思の伝え方と契約のポイント
 
5. 建築を知らなくてもできる平面プランの作り方
 
6. むっずかしい〜自宅プラン
7. えっ?好みが違う?
なるほど・・・
 
8. 夫婦で二人三脚
9. 資金計画です。-@
10. やってやろうじゃないの!
-資金計画ですA-
 
━━━(第3章)━━━
1. 遅かった・・・あと1日
2. 何を聞いていたの?
3. 1本の電話から
4. 1億円オーバー
5. 潔く
6. 沈黙のとき
7. 願いのとき
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第2章−7.えっ?好みが違う?なるほど・・・
いつのまにか、このインテリアコーディネーターさん(I・Cさん)と、CADでうちの図面を実際に書いてくれていたCさんの、若い女性二人で打ち合わせに来られることも多くなりました。

 このI・Cさんは物腰の柔らかい方で、しかもいつもかっこいいスーツを着こなして"インテリアコーディネーター"という名前にふさわしい美しい人でした。申し遅れましたが、Cさんだってとてもきれい。もちろん見かけだけでなく、性格もとても素直なかわゆい人でした。本当だよ!私はお二人にとても好感を持っていました!
 本当によく私の話しも聞いてくれましたし、嫌がらず、よく図面も書き直してくれました。
 ただ…お二人のことはとても好きだったのですが、やっぱりどうしてもこちらの思いが図面になってこないのです。
 なぜだろう?こんなによく話しも聞いて下さるのに…ある日私はその疑問についての答えに思いもかけない出来事から遭遇しました

 「最上階の暑さ対策」について話し合っていたときのことです。
 私はマンションのしかも最上階に住んだ経験がなく、暑さ対策には手をこまねいていました。相当な熱対策が必要だろうと思っていました。しかも納得がいま一歩いっていないこの間取りだと、どうしても風の通りが悪そうで心配でした。
 その私の心配をきいて、設計士のCさんが出した答えとは「屋根裏みたいなものをつくって、そこから温まった空気をダクトで横に抜く」といったものでした。
 Cさんのその時の様子で、とても豊富とはいえない彼女の経験の中でも、お客さんに迫られてようやく編み出した苦肉の策のように私には受け取れました。でも、今となっては私が頼れるのは目の前にいる彼女一人なのです。

 その策が具体的に知りたくなった私は、打ち合わせをしていた自宅の窓から見える、最近新築されたばかりの3階建ての建物を指差し、
「ダクトって、あの建物の横から出ているみたいな物なの?」と尋ねました。
すると、
「いいえ、あれは換気扇の排気が出る穴です。」とのこと。
「じゃあ、ダクトって?」
「んん…ここからは見当たりませんねえ」
「ああそうですか…」

 このCさんと私との会話を横で聞いていたI・Cさん。そこで、すかさずおっしゃいました。
「ああ!あの建物、○○ホームの建物ですよねえ。私、○○ホームの建物大好きなんです!
えっ!
その瞬間全てのなぞが解けたような気がしました。
私とは全くと言っていいほど好みが違うんだ…ということ。
なるほどねえ…これじゃどれだけ時間を費やしても、なかなかすり合わせが出来ないはずです。

 だからあの時やっぱり遠慮せずに、これまで、A事務所が造って来られた「住宅」を実際に見せてもらっておけばよかったんだ!
Chapter2-第4回「設計士さんへの意思の伝え方と契約のポイント」で、お話ししたあの不安が的中したのです。これまでのご縁で「大丈夫だろう」と、なんとなく『なあなあ』で進めてきた事が…

 打ち合わせにあたって、当初私の不安に答えるため、今まで手掛けられた「住宅」の写真数枚は見せていただいたのですが…それは、もう既にお住まいになっている方の立派な調度品が飾られていて『ゴージャス』な雰囲気そのものでしたが…私は、確かにそのとき「何かちょっと違うなあ」といったものを感じていたのは事実だったわけです。そのときに、やはり遠慮せずに、「実際に数軒見せてください」とお願いすべきだったんです

 設計士さんが、打ち合わせをしながら間取りを含めた図面を作り、インテリアコーディネーターさんが、全体の雰囲気をつかみ仕上げをされているこの「A事務所」一連の仕事の結果を、ぜひ、ぜひ見ておくべきだったんですよねえ…今更悔いてみたところでちょっともう遅すぎました。

 よく考えてみるとわかることですよね。「住宅展示場」を見たり、実際建てられた住宅を見て、○○工務店に頼もうとか、○○ハウスメーカーに頼もうとか、普通の人は決めますよねえ。私の場合、それを省略してそれまでのお付き合いの延長でお願いしてしまったのですから…完全に私の失敗です

 いくら建築士・設計士・インテリアコーディネーターといえども、得意分野がそれぞれ違う(例えば お医者さんに内科もあれば外科もあるように)…しかも人間が行う作業ですから、特にこういうクリエイティブな分野では好みがそれぞれ繁栄されてきますよねえ。そしてこういう大きな事務所になってくると、一人ではなく数名の人が、かわるがわる私の意見を聞いていくわけですから、なかなか意志の疎通を全体で図るのには無理も出てきます。

 そして、それだけではありませんでした。
 私は最上階の熱対策のためにも、そしてひいては省エネにつなげるためにも『屋上緑化』
の必要性を重視してお話ししました。
 あるいは、あの『阪神大震災』からの教訓なども踏まえて、小さな主婦の知恵ではありましたが、食器など割れ物を収納する造り付けの家具には「耐震ちょう番」を付けたいという希望も出しました。
 当時とても問題となっていた『電磁波防止』の件についても、ブレーカーの回りに張ったりして防止するいろいろなアイテムについてなど、写真をお見せしながら説明しました。

 当然ご存知かなあ…という思いもありましたが、意外とお話ししてみると、あの最初のうち打ち合わせにお見えになっていたBさんでさえ、あまりご存知ないこともあり、かえって「素人のかたの方がよく勉強されてますねえ」と感心される始末…
 だんだんと、だんだんと、これは、私自身しっかり勉強して、そして「ご存知だろう」と過信せず、ちょっとあつかましいくらいにお話しすべきでは…そんな一抹の不安を持つようになりました。

 それと、あまり言いたくはありませんが、やっぱり経験は大事ですね。
育児にしても、介護にしても、どうしてもその経験があるかないかで、ちょっとしたニュアンスが伝わりません。そのちょっとした配慮を理解してくれるかどうか、あるいは面倒だと思われるか…その差は実際に建ち上がってから大きく出てきます
 残念ながら、私がお願いした事務所のお仕事には「洗練されたカッコよさはあっても、生活感があまり漂っていない」…私が最初に写真を見せてもらったときに感じた「なんとなく違うなあ」という感覚は、どうもそこにあったようです。

 まあ…そんなことを今更あれこれ考えても、もうどうしようもありません。
とにかく、「自分ががんばんなきゃ!それしかない!」
そう思いを新たにする私(当時37歳の春)でした。

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